ストリートビューに見る、新しい技術に関する「ワクワク」と「恐怖」

Googleストリートビュー(以下SV)が面白過ぎて、仕事がしばらく手につかなかった私です。
ただの平面的な写真じゃなくて、360度グリグリ見渡せるっていうのもすごい。漫画家の資料とかにも最適ですよ!
自分の家も探そうと思ったけど、田舎過ぎて案の定なかったです。というか県自体がSV対応していなかったですw

でも通った学校とか思い出の地、観光地は見ちゃいますね桜の名所はちょうどその時期に撮られてたり。
面白いと思う人がいる一方、恐怖、不快に思う人も沢山いるようです。
というより、面白いと思う一方、ちょっとどうなの?と思う人が大半ですよね、きっと。
100%諸手をあげて万歳、という人はきっと少ないと思います。

2008/08/07: Google の中の人への手紙 日本のストリートビューが気持ち悪いと思うワケ

法に触れなくて(あるいは概念が新し過ぎて法そのものが無くて)、技術的に可能ならば、実行に移すというのが技術者の性と思うのですが。そういう「やっちゃっていいの?」を少しずつ乗り越えて今の世界が出来上がっているんだと思います。

世の中が変わる革新的な技術の直後って、そういうせめぎ合いがあったと思うのですよ。
自動車とかね。出た当初は「車は速いし、とっても便利。でも、事故をしたら高い確率で人が死ぬ。石油をたくさん使って、空気を汚くする!今まで通り馬や牛を使っていけばいい。多少不便でもかまわない。」って反対意見はきっとあったと思います。*1
医療技術でもそうですが、輸血とか。これ最初に考え、実行に移した時もだいぶブーイングあっただろうな。
今でもモラルや宗教の理由で受け入れない方もいまだにいます。でもほとんどの人は受け入れているかと。


モラルとか慣習とか、そういうものが絡み合ってくるのが難しいところですね。だからこそ面白いとも思いますが。
で、SVは日本で根付くか?なんですけど、根付くと思います。だって、便利で面白いから。
それに、こういう技術はGoogleだけじゃないんですよねロケーションビューとか…*2

ところが日本の都市部生活者は逆で、家の前の生活道路、いわゆる路地のほうが感覚的には自分の生活空間の一部、庭先なのです。日本の都市部では、家の前の公道を掃いたり、打ち水をしたり、雪かきをしたりするのが居住者のつとめとされています。下町を歩いているとよくわかるけれど、家の前の路地に鉢植えとかちょっとした物置とかをはみ出して置いてあるのもその感覚の表れです。
2008/08/07: Google の中の人への手紙 日本のストリートビューが気持ち悪いと思うワケ

そういうのがネットにデータとして残るとしてもいいんじゃないかと思うんですけど
貴重な風俗、文化の遺産として。2chのSVスレで、「なんで30年前の東京でこれをやってくれなかったんだ」ってレスを見かけたんですけど。わずか数十年前の東京でも、再現が難しいほど資料がなかったりするんですよね。昭和30、40年代が舞台の映画、ドラマを作ろうとしても資料が驚くほど少なくて苦労したとかよく聞きますし。
SVの更新具合がどんなものかわからないけど、定期的に街を撮り続けるのは東京みたいな変化の激しい街でやるのも意義がある…のかも知れませんよ

でも、恐怖や拒否感を感じるのも正しいと思います。こういう懐疑の心を忘れないのも。
「ワクワク」と「恐怖」ネットは面白い。

*1:インターネットが気持ち悪い!携帯電話が気持ち悪い!もきっとあったはず

*2:時代の流れ。周囲が車を使っているのに頑固に牛や馬を使い続けることは賢いことなのだろうか