ネットでお金を集める難しさ

「新ブラックジャックによろしく」が作者公式サイトにて1話30円でまもなく読めるように、新連載も準備中 - GIGAZINE

話題になってますが、ブラよろの漫画家さんが、自分のサイトで漫画を有料配信するという記事。

なかなか面白いこころみですね。値段設定も1話30円と破格ですし。
ただ、実際問題このようなシステムが出来ても私が利用するかと問われたら…うーん…
漫画1話に30円払うのはいいんだけど、それまでの過程が面倒くさそうで躊躇しちゃうんですね。

http://anond.hatelabo.jp/20090415235800
http://anond.hatelabo.jp/20090420051525
応援するとか言ってる人も、実際彼がウェブで作品販売した時に金払うか?10円だか30円だか知らないけど、金額よりも払う手間を惜しむのが人間。
それなら本屋なりコンビニなりで雑誌買う方がよほど身体に馴染んでる分、簡単に思えるはず。惰性の力を侮っちゃダメだ。

増田でも指摘されてますが、30円「だけ」を、ネットでやりとりするのは意外と難しいですよ。それこそ、コンビニでチロル買うのと比較にならないほど手間。まず自分の住所から何から登録して、カードor銀行口座等の情報も入力して…この時点でやーめた、ってなっちゃう。
それに30円ぽっちなら、手数料の方が高くつくんじゃないの?、って。
おそらくポイント制(300円とか1000円とか)でまとまった金額を最初に登録して、好きな話を読ませる仕組みにすると思うんですけど。
それなら多様に選べる方がいいけど、ひとりの作者、一作品だけというのもネック。300円でポイント買ったけど、1話読んだらもういいや!ってなった時返金してくれるのか。できるとしても面倒だなあ、って。

例えばちょっと気になるアーティストのPVが、公式サイトで無料で見られる!って言われてもなかなかアクセスするまでは行かないもんな。(大ファンだったら別として)
ああいうのってそれぞれUI違うし、動画探すのにムダな時間かけたくないし。だったらYoutubeやニコニコで検索して見るわ!になる。
Youtubeやニコニコって「何でもある」のがいい。iTunesStoreとか、DLsiteとかDMMも品揃えの豊富さがあるから「使える」ものになってると思う。

そして、恐らく「ブラよろ」を読むような人達はいわゆる(ネットに詳しい)「オタク」層でなく、一般層だと思うのですがこれまたハードルが高いと思うのです。何せネットのコンテンツにお金を払うのに慣れてないでしょ?
最近、コンテンツの有料配信って…どうなの?と思ったページをあげます。

天体戦士サンレッドちゃんねる - ニコニコチャンネル:アニメ

サンレッド大好きなんですけどww有料配信になってる方は、ほとんど再生数がないですよね。あっても2桁か…(これが正確な再生数を現しているのかはわかりませんが)
少なくともここに表示されているように、ニコニコの生命線であるコメント数がほぼ無しならば、ますます入る意義が見つからないなあ。(ゴメン
サンレッドが不人気かと言えば真逆で、毎週15万再生は当たり前、ニコニコ市場ではDVD1巻あたり1000以上売り上げてるのもあるのに。
なぜ、「有料配信」となるとこんなにも利用されないのか。ちょっと考えてみる必要があると思います。
ヘタリアがWEB漫画で大成功!という話も、よくよく見てみればWEBで人気に火がつき、紙媒体で出版されたからなんですよね。利益はほとんど出版からでしょ?WEBで完結した人気じゃない。

新しい試みを否定するわけじゃないですよ!でも、「作品をお金に換える」事に関しては漫画家より出版社の方が長けていると思うんで。
なぜ出版社が漫画のWEB配信やらないのか?出版社はもっと積極的にWEB配信の環境整えたらいいのに。
出版社がやらないから佐藤先生がやろうとしてるんですね、今の段階は。

http://anond.hatelabo.jp/20090420051525
近い将来、雑誌がウェブに移行するというのはもう明白だけど、佐藤氏の企てが巧く行くかというとそれはまた別の問題
どうせ金を使い果たした挙げ句に、誰かに頭下げてまた戻ってくるよ。あるいは携帯サイトで描くか。

成功するか、しないかはわかりませんけど…
こんな意見も

http://d.hatena.ne.jp/nekora/20090416/p1
漫画家ってそんなにリスクの高い職業なのかなー?
(中略)
作業自体も危険物を扱うわけでも筋骨を酷使するわけでもないデスクワークであり、、一歩間違うと大怪我や死亡みたいな健康リスクも別になし。
寧ろ自営業としては始めるも止めるも危険の少ない比較的安全な職業じゃなかろうか。
「多大なリスクを負ったギャンブルである」なんて悲壮な決意っぽい言葉はロマンチックに酔っ払いすぎの印象がある。
ただ、作業着手から入金、利益が出始めるまでの期間が長そうなイメージはあるな。イメージだけど。

WEBの集金システムも似たようなもの?かも。初期費用はサーバ代とプログラマ雇うくらいで、コンテンツはこっちにあるし
サーバとか、負荷がどのくらいか初めてなので計算が難しいことくらいか…。
お金にするのって難しいですね。つくづく。とりあえず現状見守りたい。


個人的には、漫画家の意思、純度100%で描かれた漫画より、編集と喧嘩して描いたような漫画の方が好きですけどね。
前者だったら同人誌で読めるし。