ネット禍

google検索に頼りすぎて、思考力が低下する事が話題になっているそうだ。

http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/b56745c8f68e8f3498f4d7577de845bf

でも、これって新しい表現方法・メディアが出現した時に言われるお約束のものじゃないかな、とも思います。

こうした変化は、古くからあった。ソクラテスは、「文字に書くと、人々は内容を忘れてしまう」と書物を記さなかった。ホメロス叙事詩ギリシャ悲劇も、暗誦して伝えられたものだ。韻文は、その記憶を容易にするための技法だった。

これで思い出すのが中島敦の「文字禍」です

近頃人々は物憶えが悪くなった。これも文字の精の悪戯(いたずら)である。人々は、もはや、書きとめておかなければ、何一つ憶えることが出来ない。着物を着るようになって、人間の皮膚が弱く醜くなった。乗物が発明されて、人間の脚が弱く醜くなった。文字が普及して、人々の頭は、もはや、働かなくなったのである。
中島敦 文字禍

文字の世界に耽溺する老博士が寓話的に書かれています。
この文字をネットに置き換えると驚く程、いろいろ当てはまってしまう。未読の人は是非、一度読む事をおすすめします。

しかし、バカになってしまおうと、私たちはもうネットやgoogleから離れて暮らすことは出来ないのも確か。